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June 2021アーカイブ

April 2021| ファツィオリ日記トップJuly 2021

反田恭平, 読響とともにシューマンピアノ協奏曲、東京・大阪バックステージ

6月19日・20日東京芸術劇場、6月22日大阪フェスティバルホールにて、反田さんがシューマンピアノ協奏曲を演奏しました。読売日本交響楽団指揮者はセバスティアン・ヴァイグレ氏。使用ピアノはF308です。反田さんが初めて臨む曲ということもあり、特別なコンサートとなりました。


18日に行われた最初のリハ―サルでのヴァイグレ氏と反田さんの様子をご覧下さい。
お二人で入念に打ち合わせをしながら、リハーサルを進めます。

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二日にわたる東京でのコンサートは無事終了し、一日を挟んで大阪公演です。
その間にピアノを大阪まで運びました。大阪ではテレビ収録が行われるため、準備はいつもより複雑です。

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大阪公演も大きな拍手で幕を閉じました。
ホールが満席の場合、こんな感じで演奏に聴き入っています・・・ 素晴らしかったですね。
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TAGO STUDIO TAKASAKI

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TAGO STUDIO TAKASAKI 運営責任者
作曲家・音楽プロデューサー
多胡 邦夫 (たご くにお)氏
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音楽によるまちの活性化を目指す群馬県高崎市のプロジェクトに、作曲家・音楽プロデューサーとして活躍する多胡邦夫氏が運営責任者として参画した 「TAGO STUDIO TAKASAKI」。行政施設でありながら、国内トップクラスのレコーディングスタジオが高崎市に開設されて2021年3月で8年目を迎えた。「反響」を抑えるスタジオが主流の中、あえて「響き」を重視したスタジオを建設。スタジオピアノには、ファツィオリF278を採用。「独自の響き」と「ファツィオリ」が都心からプロの演奏家を引き寄せる要因となっている。
プロ向けにレコーディングを行う一方、市民に向けた活動も積極的に展開。高崎を拠点に世界に向けた音楽発信を視野に入れて活動する、注目のレコーディングスタジオである。

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設立の経緯
高崎市とプロの音楽家のコラボレーションにより設立された TAGO STUDIO TAKASAKI は、群馬県高崎市に位置するプロ専用レコーディングスタジオである。東京に一極集中している音楽業界において、地方都市にあるプロ専用スタジオは珍しい。その設立の経緯は、市政から高崎出身でポップミュージックの最先端で活躍する多胡氏に、「音楽のまち高崎」として世界に音楽を発信して行きたいという要望が託されたことに始まる。多胡氏のアイディアを取り入れる形でプロ専用レコーディングスタジオを開設するに至った。

「サッカー少年にとってはサッカー場、勉強する子達にとっての図書館があるように、音楽好きの子達のために営利目的でないレコーディングスタジオがあっていいと思ったんですよね。東京に集中しているプロレベルのレコーディングスタジオが高崎にできれば、音楽を志す群馬の若者にとっても夢が広がると思いましたし、良質のスタジオであれば、東京のプロミュージシャンからの需要は高いと思いました」と多胡氏は力強く語る。

高崎への郷土愛と共に、プロミュージシャンの要望を熟知し、成功の確信を持って準備を進めた様子が伺える。トップアーティストの楽曲制作に長年携わるなど、音楽業界で活躍を続ける多胡氏の存在と情熱が、市運営のレコーディングスタジオの誕生とその後の順調な歩みの鍵となっていることは疑いもない。_PS_7768.jpg

こだわり抜いた「響き」のあるスタジオ
しかしながら、東京と同等のクオリティのスタジオを高崎に作って足を運んでもらうのは簡単ではない。その難点をクリアしたのは、多胡氏の音に対するこだわりによって生まれたスタジオの独自性であった。

「近年は、吸音材で反響を抑えるレコーディングスタジオが多数を占めていますが、私は、ただクリーンなだけではなく、かすかな歪みやズレがグルーヴを生み、感情に訴えかけると感じています」と話す多胡氏は、他にはない「響き」のあるスタジオを高崎の地に実現させた。同スタジオの柔らかくて自然な響きは、音の反響を分散させせるスタジオの多角形状と壁材に使用された浅間山の溶岩や漆喰などの天然素材により生み出されている。

「行政が関わっているスタジオはこの程度だよね、とお客様に絶対思わせたくなかった」と話す多胡氏は、床材・照明機器からヴィンテージ機材に至るまで、全ての設備・機材の選定に関わり、満足のいくスタジオを作り上ることができたと言う。その素晴らしい独自の響きは、特にドラムやピアノの生楽器のバンドサウンドを求めるプロミュージシャンから高く評価されているそうだ。_PS_7847.jpg

スタジオの命 - ファツィオリ
ギタリストの顔も持つ多胡氏だが、作曲にあたってはギターを弾きながら曲を作っていても頭の中ではピアノの音に変換されて聞こえるというほど、ピアノは彼の音楽にとって重要な楽器である。そのため、スタジオピアノの選定にも大変こだわり、複数メーカーのピアノの試弾を4~50台重ねたと言う。

「ピアノ選びに迷っている時に知り合いのピアニストから、『多胡くんの曲はすごく情熱的だからファツィオリなんてすごく合うと思うよ』とメッセージをいただいて、初めてファツィオリの存在を知りました。ショールームで初めて音を聞いた時に衝撃が走って、あの音を聴いてしまったらそれまで試弾していた他のピアノを一切聴けなくなるくらい感動しましたよ。感情的な音、高音の美しいキラキラした音、低音のしっかり響く音。低音から高音までどんなに弾いてもバランスよく鳴ってくれるピアノはレコーディングに最適。ジャンルを選ばすどんな楽曲でも美しい音で録音できるだろうと思って購入を決めました」と、10年近くも前のファツィオリとの出会いをつい先日の出来事のように話してくれた。さらに、「スタジオにとってピアノは命。ファツィオリを弾きたいからスタジオに来てくれるお客様がいる。特に、オープン当時はピアノがものすごく武器になった」と多胡氏はファツィオリの重要性を強調する。

ファツィオリを目的に来てれくるお客様のためにも、一日に何度も湿度のチェックを行うなど徹底したメンテナンスを心がけていつも最高の状態のピアノを用意しているとのこと。

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地域振興を目指して
同スタジオは、地域振興への貢献を条件に「特別地域振興プラン」を提供し、サービスクオリティの高さと低廉料金を両立していることもユニークな点。また、併設されている市民ラウンジでは、スタジオ活動の展示の他、キッズスペースや美味しいクレープが評判のカフェスペースがあり、年配の方から赤ちゃん連れの家族までが訪れる市民の憩いの場となっている。「ミュージックフェスティバルやオーディションの開催をしているので、アマチュア発掘からデビューまでバックアップしていきたい」と今後の展望を熱く語る多胡氏。高崎の音楽拠点として、プロミュージシャンからも音楽好きの市民からも末長く愛されていくことであろう。
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