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ルービンシュタイン国際ピアノコンクール入賞者ツアー(エピローグ)

1月22日から始まった5ホール、7公演のツアーは終わり、ピアニスト達は帰国の途に着きました。

3人ともに、レベルの高さで定評のある日本のホールで初めて演奏できることに胸をときめかせてやってきました。どこへ行ってもまず、ホールの音響チェッ ク、テスト、音響とピアノ調整、リハーサル、交代で練習、と最後まで気を緩めることなく、演奏に集中。自分の演奏レベルを維持しようという真摯な姿勢と集 中力に感動しました。本当に気持ちのいい若者たちでした。
 
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後半の4公演のうち3公演は完売し、公演ごとに盛り上がっていく拍手とサインを求める長い列。

名古屋では河村たかし市長も、コンサートに列席されサインの列に並ばれていました。Antoniiの前に来た時に「床屋に行きなさい」と英語で貴重なアドバイスを。Antonii はいつものごとく動ぜず。「お顔を見せて」と仰ったた年配のご婦人も。
我々のあいだでも、彼の髪型をどうすべきかという議論はつきませんでしたが、結論は出ずじまい。どこまでも純粋な芸術家肌のAntonii。「どうでもいいこと」のようです。
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今回のツアーでは一人一人のピアニストの魅力を紹介できるよう、時間を長めにとりました。「同じピアノなのに引きだす音が全く違い、全く違う魅力」という声が多く聞かれました。私の「一番好きな人」はどこでも3分する形で、ガラコンサート冥利につきました。
アンコールは2分半のラフマニノフの6手のワルツで、ここでも、三人の出す音の違いが美しく混じり合っていました。6手は初めての方も多く。「とても微笑ましいと」大きな拍手を頂きました。

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最終日の美浜町のなびあすホールにはFazioliの最大モデルF308が常設されています。
東京のショールームで4本ペダルを初めて経験したStevenが、試してみたいというので、急遽ペダルを変更。本番でも頻繁に4本ペダルを使用してご機嫌でした。この挑戦力と適応力すごいです。
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最後の夜の打ち上げは、地元漁師さんの家で朝採られた海産物が豪華にならび、皆食べるのも忘れ、携帯で連写。
3人が初めて気が抜けた瞬間でしょう。
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   (左より:Steven Lin, Maria Mazo,
Antonii Baryshevskyi)

翌日Antoniiは一人で京都へ、Stevenは温泉へ、Mariaは高崎の多胡スタジオでコンサート・録音入りをしました。

3人の若きピアニストと暮らした10日間の間に、彼らの才能と将来性をさらに確信した時間でした。また、日本でコンサートの機会があると良いですね!


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