ユーリ・シャドリン＆ティアン・ル、音楽とピアノについて語る

第一ラウンドでFazioliを弾いたTian　Luとご主人のYury　Shadrin を音楽ライターの高坂はる香さんがインタビューされました。

抽選の結果"B"の苗字で始まる人が一番目の演奏者となりました。その後もアルファベット順です。



マルタ・アルゲリッチやギャリック・オルソンなどの審査員によるオープニングコンサートが行われました（ホールのロビーで）。




そして2日目の最後の演奏にやっとFazioliが初登場しました。 第一ラウンドで唯一Fazioliを選んだコンテスタントNo.36　Tian　Lu（中国）です。 

初めて聴くFazioliがどう響くだろうと、皆興味津々の中、Tian が出てきてまずスケルツオ第１番ロ短調Op.20で華やかに先制攻撃。

最初の高音の部分がむき出しで金属的に聴こえる部分があり少し残念でしたが、慣れて来るにつれ、キラキラした輝く音になり綺麗にまとめていました。その後しっとりしたノクターンで素晴らしいピアニッシモの世界へ、最初のエチュードでは完璧な技巧とFazioliの音色とカラーの幅を見せつけ、間髪入れずに革命エチュードでピシッとしめる。プログラム的にもとても効果的でした。

終了後集まった報道陣、音楽関係者から素晴らしいピアノ、素晴らしい演奏とお褒めの言葉を頂き、他のピアノと全く違ったFazioliピアノの個性を明確に感じていただけたことは、ピアニストおよびピアノ冥利に尽きると言えます。



その後レストランで皆でリラックス。
彼女のご主人は2010年のショパンコンクールで、手の故障で3次を棄権せざるを得なかったYury Shadrin (ユーリ・シャドリン)です。

背もたれ付きの椅子で演奏を続け「校長」という名が付いたとか。
現在はアメリカのBaltimore市の大学で教えていて、4歳の女の子をコンクール中は中国の両親に預けて来ているそうです。 

天真爛漫な、お茶目なTianを優しく見守るYury。ほのぼの感が漂います。

イタリア、サチーレ本社のFazioliホールの今シーズンのプログラム（2015年11月ー2016年4月）が発表になりました。
毎年魅力的なピアニストが参加しますが、今年も豪華版です。詳細はファツィオリ本社のHPでイタリア語 および英語でご覧ください。 色々な有名なアーティストやファツィオリファンが演奏します。

ユンディ・リ


工藤奈帆美 (Rachel Naomi Kudo)


マリア・ジョアン・ピレシュと小林海都


マルク＝アンドレ・アムラン


そして、Fazil Say、 Beatrice Rana、 Boris Petruschanshky 等々が演奏します。

コンサートの時期にイタリアにいらっしゃる方にはお勧めです。 使用ピアノは（勿論！）F278です。