ファツィオリ日記

ヴァディム・ホロデンコ ショパン誌インタビュー

ショパン誌10月号インタビュー
ヴァディム・ホロデンコ氏に訊く
<人生は行き続けるに値する>
By コンサートプランナー 藤巻暢子 

9月17日発売のショパン10月号にコンサートプラナー藤巻暢子氏による、ヴァディム・ホロデンコのインタビューが掲載されました。弊社は同誌より、掲載の許可を頂きましたので是非、お読み下さい。記事をクリックすると大きくなります。
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なお、ヴァディム・ホロデンコの10月7日の東京リサイタルの情報はこちらです。福井県美浜町の10月10日のリサイタルの情報はこちらをクリックして下さい。

また、紙面の都合で掲載されなかったインタビュー後半部分の提供を受けましたので、是非最後までお読み下さい。

ヴァディム・ホロデンコ氏に訊く
<人生は行き続けるに値する>    後編 :来日と今後を語る


F=藤巻暢子 K=ホロデンコ

F:人生最大の試練を乗り越え、この日本で演奏するホロデンコ氏を、我々音楽ファンは暖かく迎え、氏の再生に対する心からの励ましを拍手に篭め、贈り届けたいと思います。
K:誇張ではなく、私は世界中から何千にも上るメッセージを貰いました。仙台のホストファミリーからもいただきました。私のそばにあって、私のことを思い、支えて下さるこうしたすべての方々に心から感謝しております。
聴衆の方々へはこれまでと変わらず、「コンサートの間は音楽に集中していただき、音楽的なことや、音楽的論理を私と共にたどって欲しい。」と願っています。

F:今回の来日はどのようにして?
K:もともとのアイディアは、ずっと以前からの知り合いで、私の親友であるアレック・ワイル氏からのものです。ワイル氏は東京でFAZIOLIピアノを扱っておられる方ですが、素晴らしい日本ツアーをアレンジして下さったのです。私の好きなFAZIOLIピアノで弾けるのがとても楽しみです。また、今回は日本で一番美しい場所とも云える京都清水寺にFazioliピアノを置き、声楽家の野原広子さんと共演するという大変貴重な「奉納コンサート」も予定されています。数年前に彼女の歌の伴奏をしたことが有りますが、素晴らしいコンサートになると思います。

F: よく考えられた大変美しいプログラムとの印象を受けましたが、どのようにして決められたのですか。
K: いつものように私の愛する作品から選びました。ショパンとラフマニノフについては、私の音楽家としての在り方に最も強いインパクトを与えてくれた恩師ゴルノ・スタエヴァ女史(2015年1月逝去)にとって特別な作曲家でした。いつもこの二人の作曲家と共にあった彼女とのレッスンを、私は心から楽しんでおりました。彼女から教わったことを、演奏を通して少しでも皆様にお伝え出来ればと願っています。

F: ヴァン・クライバーンコンクールの優勝者である故スルタノフ氏やユーデニッチ氏はフォートワースが気に入って住んでいましたが、あなたもフォートワースが好きですか。又これからも住まわれますか。
K: 私はフォートワースの人たちが好きです。彼らは私たちをそれは暖かく迎え入れてくれました。我々を愛してくれるこれらの人々に囲まれて住む機会は、私にとってかけがえのないものでした。疑いもなく、将来どこにいようとも、私たちをかくも歓迎してくれたコミュニティと強く結びついていたいと願うことでしょう。

F: 日本はお好きですか。
K: 初来日の時から恋に堕ちました。仙台国際音楽コンクールで優勝したことは、私のキャリアを力強く押し上げてくれました。東日本大震災後2~3ヶ月後に訪れたこの仙台とは、特別な関係を感じています。

F: 今後の活動について教えて下さい。
K: ヴァレリー・ゲルギエフ氏との共演による今年11月のパリ・デビュー、2017年ロイヤルフィルハーモニックとのロンドン・デビュー、フォートワース・シンフォニーとのプロコフィエフ・シリーズの完結、フライブルグとスイスでの3年の居住などを特に挙げたいです。他にもたくさんあり、その全てを幸運に思います。

F: あなたの将来に対する意志、希望、決意など聞かせてください。
K: 私がこれまでやってきたと同じようなことを行って行きたいと思います。ピアノを弾くということを。

F: 日本のファンの方々へのメッセージを。
K: 私は日本の全ての友に会えることを楽しみにしています。日本は私にとって常に大きな安らぎの地であり、3月の事件以降、そのことを特に強く感じます。多くの方々が私のコンサートにいらしてくださり、私と共に音楽を楽しんで下さることを願っています。

F: 励ます側の私達が、かえってあなたの魂の篭った力強いメッセージから、生きて行く力と勇気を与えられるようです。本当にありがとうございました。この秋のリサイタルを皆で心待ちにいたしております。


ヴァディム・ホロデンコ CDジャーナルとインタビュー

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タワーレコードのサイトに音楽ジャーナリストの池田卓夫さんによるホロデンコのインタビューが掲載されました。この中で、プロコフィエフの魅力と10月の来日コンサートに関する豊富を語っています。また、最近リリースされたプロコフィエフのピアノ協奏曲の録音風景の一コマも紹介されています: http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/11984


また、10月の来日コンサートがCDジャーナルで紹介されました: http://www.cdjournal.com/main/news/vadym-kholodenko/72846


弊社の以下のサイトからチケットをお申込みになれます。ご来場をお待ちしております。

10月7日(金)、東京の豊洲シビックセンターホール

10月10日(月・祝)、福井県美浜町

10月8日(土)、清水寺、野原広子ととものコンサート


ウラディオストクでJazzピアニスト岸ミツアキさんとFazioliはとても有名!


ウラディオストクのプリモリスキ劇場で真夏のフェスティバルが始まりました。
当劇場が今年1月1日にギエルギエフを総監督に迎え、マリンスキーの極東分館として出発してから初めてのフェスティバ

マリンスキー劇場のソリスト達と共に、ロシア、韓国、台湾、中国、日本のピアニスト(多くの最近のチャイコフスキーコンクール入賞者)など若い才能が一杯。7月30日から8月10日の開催です。

この時期にちなみ、弊社はウラディオストクのジャパン・センターよりインタビューを受けました。岸ミツアキさんが何回かコンサートをし、英雄となった街。岸さんのお蔭でFazioliもこの街で脚光を浴びているようです。

日本からこんなに近い風光明媚な街でロシアと音楽を満喫できる贅沢。

アジア太平洋諸国が音楽で一体となる機会を作りだしたウラディオストクのこれからが楽しみです。

2016年シドニー国際ピアノコンクールー: 斬新なシステム

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世界のトップピアノコンクールの一つとして、2016年のシドニーコンクールは音楽的に重要なイベントです。
今年は特に他の主要国際コンクールでのファイナリストなどのコンテスタントが名前を連ね、レベルが高いという評判もしきり。

さらに話題を集めているのは使用ピアノの選定方法と使用ピアノ。
今年初めて同コンクールの音楽監督に就任したPiers Lane氏は、その音楽的な情熱で多くのチェンジをコンクールにもたらしました。
その一つにピアノの選定。

NHKの番組「もう一つのショパンコンクール」がブレークし、数百万の日本人がコンクールの舞台裏のピアノ選定の試練(特にピアノ会社にとって)を目にされたので、通常の選定方法をご存知の方も多いでしょう。

このコンクールでは「ピアノ選択」の自由は無く、与えられたピアノを与えられた時に弾く!ファイナルのコンチェルトまでは。
(もちろん、ヴァン・クライバーンやエリザベート王妃コンクールなどのようにスタインウェイのみの提供で、ピアノ選択ができないトップ国際コンクールはあります。)

今回採用されたユニークなシステムとは?
「採用ピアノはヤマハ、ファツィオリ、カワイ、スタインウエイの4ブランド。コンテスタントを4グループに分け、グループごとに同じピアノを順番にローテーションで与える。ファイナルまで、演奏回数は4回あるので、通過したファイナリスト達はそこに行くまでに4ブランドを全て経験したことになる。
このシステムは、音楽監督の「ピアニストは通常コンサートでピアノを選ぶことができないので、その日常の環境を作り、与えられたピアノが上手に弾けることもテストのうちとした」という考えに基づいています。」

ファツィオリの主要国際ピアノコンクール参加歴は2010年から。その数もまだ10指に及びません。
通常はF, K, S, Yが舞台に並び、各コンテンスタントに与えられる時間は全部で15分程度。ラウンド毎にピアノの変更が許される場合が多いですが、再びピアノに触ることは許されません。

80%のコンテスタントは何時も弾きなれているピアノを選ぶと言われています。創立35年という「新興」ブランドFazioliの経験を持っている若いピアニストは非常に稀です。通常は殆どのピアニストが選定の場でFazioliを素通りしていきます。従って、弊社にとってこの新シドニー方式のメリットは大きいです。

そして結果は?

6人のファイナリストは12コンチェルトの中(一人2コンチェルト)、9コンチェルトをFazioliで弾くことを選びました!他の3メーカーの合計は3コンチェルトです。余すところ2日、19世紀コンチェルトのみになりました。アーカイブがまだ無いようですが、ライブストリームでお聴きになれます。シドニー国際ピアノコンクールのHPでご覧ください。

今回の方式のお陰で、真剣にFazioliを経験したピアニストが10人以上増えたことはとても嬉しいことです。
将来「シドニー方式」が増えたら、国際コンクールの出場もストレスフリーで、意義もあるのですが・・・

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