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ショパンコンクールへの道 (8)

いま日本へ帰国する飛行機の中で、ブログのつづきを書いています。本来であれば開催期間中にアップ出来れば良かったのですが、予想以上の不規則な生活の為、何よりも睡眠を最優先にしておりました。とはいえ睡眠が取れずの日や取れても1時間から最高でも4時間半という生活の繰り返しでした。そんな生活うえ、仲間の技術者は1次審査の途中で体調を崩し、ドイツへと帰国してしまいました。そんな状況から体調管理には十分気をつける日々でしたが、最も大事なことは自分を支える精神力だったかもしれません。
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 参加者の演奏順は事前のくじ引きで決定されます。この演奏順は1次審査からファイナルまで特別な事がない限り守られます。審査が段階的に進むにつれ、人数は半分ずつに絞られていきます。ファツィオリを選んだ参加者の順番はTRIFONOV→VENEZIANO→WATANABE→DUMONTといった順番になりました。選んでくれた参加者の数こそ一番少なかったですが、これをメリットとして考えると常に良い状態の楽器を演奏者に提供出来るという事です。この責任は私が最後まで全うしなくてはいけません。ホールの音響は日本のホールと比べるとかなりデッドな印象です。ピアノ選定時の4人の感想から、1次審査までに音の調整が必要と考えました。作業時間は深夜の4時間だけですが、日中から頭の中で作業の計画をたてていましたので、有効的にこの時間を使うことが出来ました。普段であれば1日かけて行うような作業でしたが、こんな状況の時は何か別の力が働くのかも知れません。
つづく・・・

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